音を感じながら
加藤浩子さんからのメッセージ
ゆとり教育の最先端で育ってきた私たちの世代。日本に生まれ、中学~高校~大学まで長期間英語を学ぶものの、いざ実際に世界に出て通用する英語力を身につける人は少ないと思います。試験のため、受験のため、そのためだけに勉強をした人も多いのではないでしょうか。
私は吉村先生からドイツ語を学びましたが、日本式の語学教育とはまるで違います。音から入るのです。授業では、紙に書かれた文章(自己紹介や演説など内容は様々)をまず先生が読み上げてくれ、それを真似して声に出し、次の授業までに覚え、覚えたものを声に出して発表(暗唱)していくことから始まります。暗唱テキストは再現性が高く、単語を入れ替えることで無限に応用が可能ですし、また吉村先生の生きたドイツ語を耳で聞き、自分が口にしたドイツ語の音の違いも感じながら、正しい発音へと近づいていけます。
ドイツの大学に留学もしましたが、ドイツでは自分の考えを自分の言葉で相手に伝える(主張する)ことが大切で、授業でもディスカッションやプレゼンテーションが毎回のようにあります。そのような場面で言葉に詰まるときは、「吉村先生の暗唱テキストで何か使える表現はないかな?」と暗唱テキストを思い起こしては言葉を繋いでいました。また暗唱テキストのように、留学中に日常生活や授業などで耳にした表現を覚え、1人で声に出してみて、単語を入れ替えて使っていくことができ、ドイツ語の習得は早かった方だと感じます。
大学を卒業してから10年以上経つ今でも、ドイツ語圏に行っては暗唱テキストの表現を使うことが多いです。皆さんもぜひ、ドイツ語や英語の“音”を感じながら、世界で通用する語学力を身につけていただけたら嬉しいです!