通訳者の武具
「A girl's armour is her education.」(女の子の武具は教育)
(シリアでの内戦を逃れ、ヨルダンで難民生活を始めた14歳の女の子の言葉)
「本当の聖戦は一本のペンで、そして一冊の本で」
(マララの言葉)
ある時ミュンヘンで会議があり、ドイツ人の通訳者とチームを組んで逐時通訳をしました。会議が始まる前、彼は重そうなカバンから大きな筆箱を取り出しました。筆箱を開けると中には10本ほどの、きれいに削った鉛筆がずらりと並んでいました。ノート・テイキングをしていて使っている鉛筆がすり減ると、彼は素早く次の鉛筆に持ち替えました。10本の鉛筆を使い切る前に会議は無事に終りました。
AIが急速に進歩する今も、通訳は「手書き」の世界です。鉛筆なら微妙な筆圧の加減で太くも細くも線を書けます。そして鉛筆の「木の感触」は指に心地良いものです。 私は最近よくB3など柔らかい芯の鉛筆を使っています。書くと言うよりも「描く」ように。
ノートもまた大切な武具です。立って仕事をするのか、座ってするのか、歩きながらなのか、座って仕事をするとして机があるのかないのか等々、通訳者はあらゆる現場を想定します。
最近、私は4つのサイズのノートを使い分けています。A4、A5、A6そしてB5です。その状況にぴったりの筆記用具を常に身に付ける事を通訳者のみならず、あらゆるプロフェッショナル、あらゆる学習者にお勧めします。アイデアはいつどこで閃くか判りません。貴重な情報といつどこで出会うかもわかりません。その瞬間に常に備えておきましょう!